城戸アラタです。連載第13回では、対人練習で学んだ奥足ローの入り方と、首相撲の基本技術についてお伝えします。
前回までの記事で、蹴りに特化した練習を積み重ねてきました。
しかし、サンドバッグで打てても、実戦で当てられなければ意味がありません。
今回の対人練習で、「当てる技術」と「組みの基本」を徹底的に学びました。
対人練習①:奥足ローへの入り方
ローキックは相手の動きを止める重要な武器です。
しかし、単発の右ローだけでは、相手に読まれてしまいます。
今回の練習で学んだのは、相手の奥足(後ろ足)に確実にローを当てる入り方です。
方法①:あえてカットさせてから奥足を狙う
流れ:
- 右ローをしっかり当てる
まずは通常の右ローキックを、相手の前足にしっかり当てます。 - あえてカットさせる
次の右ローは、相手にカットさせることを前提に打ちます。 - 奥足を狙う
相手が前足でカットする姿勢になった瞬間、奥足(後ろ足)が無防備になります。そこを狙います。
ポイント:
- 足の付け根付近(太ももの上の方)に当てる
この部分は筋肉が少なく、ダメージが入りやすい箇所です。 - 足に対して垂直に、やや落とすようなイメージ
横から当てるのではなく、上から落とすように蹴ることで威力が増します。
城戸アラタ最初の右ローで相手にパターンを覚えさせる。そして次は「カットさせる」ことを狙う。この駆け引きが、実戦で使える技術です。
方法②:右ストレートで相手の意識を上げてから奥足ロー
流れ:
- 右ストレートを相手の顔の前で残す
右ストレートを打ちますが、当てることが目的ではありません。相手の顔の前に拳を残すことで、相手の意識を上に向けさせます。 - 一歩踏み込んで奥足ローを打つ
相手の意識が上にある瞬間、一歩踏み込んで奥足にローキックを打ちます。
技術的な本質:
上下の散らしです。
相手の意識を上に向けさせてから、下を攻撃する。このシンプルな原則が、ローキックの成功率を劇的に上げます。
重要なポイント:
- 右ストレートは「フェイント」として使う
当てようとしなくていい。相手の視線を上げることが目的です。 - 一歩踏み込む距離感を体に染み込ませる
奥足は遠い。だからこそ、しっかり踏み込む必要があります。
対人練習②:左ミドルへのローの返しをワンテンポ早く
相手の左ミドルキックに対して、どう返すか。
これは実戦で非常に重要な技術です。
今回の練習で学んだのは、「距離」によって対応を変えるということでした。
距離感の理解が鍵
相手の左ミドルに対する対応は、向かい合っている時の距離で決まります。
パターン①:ミドルの距離(遠い)
相手が十分に距離を取って左ミドルを打ってきた場合:
- カットする
腕でしっかりブロックします。 - スウェーで避ける
体を後ろに引いて避けます。
この距離では、威力があるため確実にディフェンスすることが優先です。
パターン②:パンチの距離(近い)
相手がパンチを打てる近い距離から左ミドルを打ってきた場合:
当たっても痛くありません。
なぜなら、十分に距離が取れていないため、威力が出ないからです。
この場合の対応:
- 受ける(カットしない)
軽く体で受け流します。 - 即座に奥足ローを返す
相手の左ミドルを受けた瞬間、すぐに奥足にローキックを返します。
これは反射でできるようにする!
考えている時間はありません。体が勝手に動くレベルまで反復練習します。



距離が近ければ、相手のミドルは威力が出ません。だからこそ、恐れずに受けて即座にローを返す。この判断を瞬時にできるようになることが、実戦で勝つ鍵です。
首相撲:47歳でも使える組みの技術
チャンピオン大会では首相撲が有効なルールです。
今回の練習で、首相撲の基本を徹底的に学びました。
47歳では力勝負はできません。だからこそ、正しい立ち方と効率的な技術が重要になります。
首相撲の基本姿勢
まず、首相撲における正しい立ち方から。
立ち方の5つの基本:
- 背筋をまっすぐ
背中を丸めると力が入りません。背筋を伸ばして姿勢を保ちます。 - 足は相手より少し開く
足幅を広く取ることで、安定性が増します。相手より広いスタンスを取ることで、崩されにくくなります。 - つま先立ちで背を高く
つま先立ちになることで、相手より高い位置を取れます。高い位置から押さえることで、有利な体勢を作れます。 - 顎を引き、肩を上げる
これにより、相手に首を掴まれにくくなります。防御的な姿勢を維持します。 - 上半身は固める(力を入れるのはダメ)、下半身はリラックス
上半身は安定させますが、力んではいけません。下半身はリラックスして、どの方向にも動けるようにします。
この基本姿勢が、すべての技術の土台になります。
腕と手の使い方
首相撲における腕と手の使い方は、非常に重要です。
① 肘を相手の鎖骨の下あたりに当てる
目的:
- テコの支点になる
肘を相手の体に当てることで、支点ができます。ここを軸に相手をコントロールします。 - 相手が近づきにくくなる
肘で距離を作ることで、相手を密着させないようにします。
② 右手は後頭部の高い位置に
技術的ポイント:
- 手のひらではなく、手の甲の親指の付け根あたりで押さえる
手のひらを使うと力が分散します。手の甲の親指の付け根を使うことで、効率的に押さえられます。 - 後頭部の「高い位置」
低い位置を押さえても効果がありません。できるだけ高い位置を取ることで、相手の頭をコントロールしやすくなります。
③ 左手は相手の肘の内側
技術的ポイント:
- 手のひらは使わず、前腕でコントロールする
グローブをつけていると手のひらは使えません。前腕全体を使って相手の腕をコントロールします。 - 相手の肘の内側を押さえる理由
ここを押さえることで、相手の腕の動きを制限できます。
相手に頭を下げられそうになったら
首相撲では、相手に頭を下げられると非常に不利になります。
対処法:
- 頭の位置を下げずに
自分の頭を下げてしまうと、相手の思うツボです。頭の高さは維持します。 - 下に入り込む
体を沈めて、相手の下に入り込みます。 - まっすぐ立ち上がる
下から一気に立ち上がることで、相手の体勢を崩せます。
下に入り込む → 立ち上がる。この動きで相手を押し返します。
相手に腕を閉じられて内側を取れない時
相手が腕を閉じて、内側に手を入れられない状況があります。
対処法①:片手で相手の腕の内側から思いっきり叩く
- 片手で相手の腕の内側を思いっきり叩く
- できた隙間にもう片方の手を入れる
瞬間的に隙間を作ることで、内側に入ることができます。
対処法②:相手の顎のあたりを押してスペースを作る
相手の顎を押すことで、強制的に距離を作ります。そこから手を入れます。
相手の腕と肩を固める時のコツ
相手の腕と肩を固めて動きを制限したい時:
手を組み、挟み込むような感じにすると楽です。
力で押さえ込もうとすると、47歳の体力では持ちません。
手を組んで挟み込むことで、少ない力で相手をコントロールできます。
今回の練習で得た3つの気づき
対人練習を通じて、重要な気づきがありました。
気づき①:奥足ローは「駆け引き」で当てる
ただ蹴っても当たりません。
まずカットさせる、または上を見せてから下を狙う。
この駆け引きが、実戦で使える技術を作ります。
気づき②:距離によって対応を変える重要性
遠い距離なら守る、近い距離なら受けて返す。
この判断を瞬時にできるようになることが、47歳の強さです。
気づき③:首相撲は「力」ではなく「技術」
正しい立ち方、正しい手の位置、正しい体の使い方。
これらを理解すれば、47歳でも若い選手と互角に組めます。
本日の一言
技術は力を必要としない。正しい角度と正しいタイミングが、47歳の武器になる。
最後に——対人練習で技術は磨かれる
サンドバッグで何百発打っても、実戦で当てられなければ意味がありません。
対人練習で初めて、「当てる技術」「距離感」「タイミング」が身につきます。
今回学んだ技術:
- 奥足ローへの2つの入り方
カットさせてから、または上を見せてから - 距離による対応の変化
遠ければ守る、近ければ受けて返す - 首相撲の基本技術
正しい立ち方、腕の使い方、相手への対処法
これらを反復練習して、体に染み込ませます。
次の試合では、これらの技術を実戦で出し切ります。



対人練習で学んだ技術は、すぐに使えるものばかりです。奥足ローの入り方、距離による判断、首相撲の基本。これらを次の試合までに完璧に仕上げます。47歳だからこそ、技術で勝負する。この信念は変わりません。
城戸アラタ
Parallel Life Method









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