技術を「試合で使える武器」に変える
城戸アラタです。連載第6回では、練習でできる技を、試合で自然に出せる武器に変えるための実戦化プロセスをお伝えします。
前回の敗北で痛感したことがあります。
技術は磨いただけでは意味がありません。「試合で出せる技」だけが本当の武器です。
前回の試合では:
- ジャブが出なかった
- 前蹴りが出なかった
- 三日月蹴りも出なかった
- ブロック後の返しも遅れた
つまり——体には入っているのに、試合では出ていない技が多かったのです。
今回は、このギャップを埋めます。
「練習でできる技」を「試合で自然に出る技」に変えるには、実戦の流れで理解する必要があります。
実戦化①:距離を支配する「3つの起点技術」
試合で主導権を握るには、起点となる技術を理解する必要があります。
それは、以下の3つです。
起点①:ジャブ(攻撃の起点)
技術的役割:
- ジャブが出れば、距離を取れる
- 距離が取れれば、右ローキックが出せる
逆説的理解:
ジャブが出なければ、前回の試合のように前に詰められてしまいます。
ジャブは、攻撃のスタートボタンです。
起点②:左前蹴り(前進止め・距離の強制確保)
戦術的価値:
前に出てくる相手には、絶対に必要な武器です。
心理的効果:
見せるだけでも、相手の足が鈍ります。
実戦的効果:
前蹴りが出せれば、「密着での苦戦」は消えます。
起点③:左三日月蹴り(崩し→右ローへの導線)
技術的特徴:
三日月蹴りは、軽く当てるだけで姿勢を崩せます。
戦略的価値:
右ローキックの入り方が、劇的に変わります。
この3つの起点技術が出せれば、試合を支配できる
これらは単独の技術ではなく、試合全体をコントロールする基盤となります。
実戦化②:攻防の流れで技術を連携させる
試合では、単発の技よりも「流れ」が重要です。
その流れを作るための、5つの実戦ルートを解説します。
実戦ルート①:ジャブ→左フック→右ローキック
特徴:
軽量級の「見栄え×速さ×削り」が全て入った黄金パターンです。
私の強みを最大化:
- 得意な左フック
- 効果的な右ローキック
これらを最大限に活かせる流れです。
実戦ルート②:左前蹴り→左三日月→右ローキック
戦略的連鎖:
突進止め→崩し→削り
位置づけ:
これが私の勝ち筋の中心になります。
実戦での効果:
試合でこれが出せたら、流れが完全に変わります。
実戦ルート③:ブロック→左フック→右ストレート
用途:
連打してくる相手への「刺し返し」です。
前回の反省:
前回の試合で最も必要だった対応でした。
実戦ルート④:左インロー→ワンツー
技術的効果:
相手の軸を折れば、パンチの通りが変わります。
戦略:
ローキックを活かす形です。
実戦ルート⑤:左ミドルキック→右ローキック
戦術的価値:
上下を散らし、相手を迷わせる実戦の定番です。
効果:
これが出せると、攻撃の幅が一気に広がります。
実戦化③:密着戦の強化——膝蹴りを必殺技にする
前回の試合で、特に悔しかった部分があります。
密着の場面が多かったのに、膝蹴りが出せませんでした。
だからこそ、次の試合では膝蹴りを確実な武器にします。
左膝蹴り(踏み込み膝)
技術:
右足を半歩踏み込んで、重心ごと突き刺します。
特徴:
密着時に最も破壊力が出ます。
右膝蹴り(縦に刺す膝)
技術:
軽い前進から、縦方向に刺します。
効果:
相手の勢いを一瞬で止めることができます。
膝蹴りが出せれば、近距離戦で優位に立てる
密着時の膝蹴りは、47歳の体力を温存しながら効果的にダメージを与える重要な技術です。
実戦化④:防御から攻撃への「反射」を構築する
最も重要なのが、この技術です。
ブロック→即座に反撃
これができた時点で、相手の手数は止まります。
前回の試合で最も必要だった対応でした。
反撃技術を3つに絞る理由
使用する技術:
- 左フック
- 右ストレート
- 左フック→右ローキック
理由:
迷ったら遅れます。種類を絞ることで、無意識に出せるようになります。
実戦化⑤:視線の重要性——技術を引き出す鍵
視線は技術そのものではありませんが、技術を引き出す鍵となります。
前回の反省:
前回の試合では、私の視線が落ちていました。それが攻撃の遅れ、防御の遅れにつながりました。
視線の効果:
視線が正しく保たれると:
- ジャブが出やすい
- 前蹴りが出やすい
- 反撃も出やすい
すべての技術が、自然に機能し始めます。
実戦化⑥:5つの実戦コンビネーションに集中する
試合で使うコンビネーションを、以下の5つに絞ります:
- ジャブ→左フック→右ローキック
- 左前蹴り→三日月蹴り→右ローキック
- ブロック→左フック→ストレート
- 左インロー→ワンツー
- 左ミドル→右ローキック
この5つが出せれば、勝ちパターンに入ります。
実戦化⑦:試合で最も大切なのは「出す勇気」
47歳で挑戦していると、どうしても:
「技はあるのに出ない」
という壁にぶつかりやすくなります。
本質的理解:
これは技術の問題ではなく、実戦経験と勇気の問題です。
前回敗北の価値:
今回の敗北は、「出せなかった技を出すための材料」として、完璧に価値があります。
技術の実戦化——まとめ
今回解説した実戦化プロセスを体系的にまとめます:
- 距離を作る3つの起点技術
ジャブ、左前蹴り、左三日月 - 攻防の流れで技術を連携
5つの実戦ルート - 密着時の膝蹴り
左膝・右膝の使い分け - ブロックからの即座反撃
3つの返し技術 - 視線の改善
技術を引き出す基盤 - 5つのコンビネーション
試合で使う技術の絞り込み
最後に——技術は「試合で使える武器」になって初めて価値を持つ
練習で磨いた技術を、試合で使える武器に変える——これが今回のテーマでした。
技術の実戦化とは、単なる反復練習ではありません。
それは:
- 起点技術の理解
- 技術の連携
- 状況別の対応
- 反射的な動き
- 出す勇気
これらすべてを統合したプロセスです。
47歳の挑戦では、若さや体力で勝負することはできません。
しかし、技術を深く理解し、実戦で確実に出せる形にすることで、確実に強くなれます。
次の試合では、これらの技術を全て出し切ります。
城戸アラタ前回の敗北から、技術の実戦化という明確な課題が見えました。3つの起点技術、5つの実戦ルート、密着時の膝蹴り、即座の反撃——これらを試合で自然に出せるよう、日々の練習で磨いていきます。技術は、試合で使えて初めて武器になるのです。
城戸アラタ
Parallel Life Method


コメント