47歳からの組み技習得——首相撲と膝蹴りを武器にする
城戸アラタです。連載第9回では、5月のチャンピオン大会に向けた首相撲と膝蹴りの習得についてお伝えします。
なぜ今、組み技を習得するのか
5月のチャンピオン大会では、首相撲と膝蹴りが有効なルールです。
これまでの試合は、パンチとキックの打撃戦が中心でした。しかし、チャンピオン大会で勝つためには、組み技も武器にする必要があります。
あらゆる局面に対応できなければ、チャンピオンにはなれない。
だからこそ今、首相撲と膝蹴りの習得に集中しています。
47歳で組み技を覚える意味
47歳にとって、組み技には大きなメリットがあります。
メリット①:スタミナ勝負に持ち込まない
打ち合いが長引くと、若い選手に体力で負けます。首相撲で試合をコントロールすることで、スタミナの消耗を抑えられます。
メリット②:距離をコントロールできる
相手の得意な距離で戦わせない。組んでしまえば、こちらのペースに持ち込めます。
メリット③:膝蹴りは47歳でも威力が出る
パンチのスピードは年齢とともに落ちます。しかし、膝蹴りは体重を乗せられるため、47歳でも十分な威力を発揮できます。
現在の練習方法
首相撲と膝蹴りの練習は、以下の方法で行っています。
練習方法①:タイ人トレーナーのミット中に組み込む
通常のミット練習の流れの中に、首相撲と膝蹴りを組み込んでいます。
打撃から組みへの移行、組みから打撃への移行。この流れの中で使える技術を身につけることが目的です。
練習方法②:ミット後の集中練習
ミット練習が終わった後、さらに時間を取って首相撲と膝蹴りに集中して取り組んでいます。
反復練習で、体に技術を刻み込む時間です。
習得中の4つの技術パターン
現在、以下の4つのパターンを重点的に練習しています。
シンプルに、確実に使える形を体に入れる。これが47歳の戦略です。
パターン①:左膝→左脚でバランス崩し

流れ:
- 首相撲の体勢から左膝を打つ
- 左膝を打った脚をそのまま使い、相手のバランスを崩す
ポイント:
膝蹴りとバランス崩しを一連の動作で行う。
膝を打って終わりではなく、そのまま崩しに繋げることで、相手に回復の時間を与えません。
パターン②:左膝→右膝→左脚でバランス崩し

流れ:
- 首相撲の体勢から左膝を打つ
- 続けて右膝を打つ
- 左脚を使って相手のバランスを崩す
ポイント:
左右の膝で相手を削ってから崩す。
パターン①の発展形です。膝を2発入れることで、相手のガードが下がり、崩しやすくなります。
審判への効果:
膝を2発打つことで、「攻めている」という印象を審判に与えられます。ポイント制では重要な要素です。
パターン③:左脚を後ろに下げながら相手を回して左膝

流れ:
- 首相撲の体勢で、左脚を後ろに下げる
- 同時に相手を回す(崩す)
- 相手が崩れた瞬間に左膝を打つ
ポイント:
自分が下がることで、相手を引き出す。
力で相手を動かすのではなく、自分の動きで相手を崩す。47歳にとって、体力を使わずに相手を崩せる重要な技術です。
なぜ効くのか:
相手が前に出ようとする力を利用して回すため、少ない力で大きく崩せます。崩れた相手に膝を打つので、当たりやすく、威力も出ます。
パターン④:相手の右手を自分の右手で下げて右膝

パターン⑤:相手の右手を自分の左手で上げて右膝

流れ:
- 首相撲の体勢で、相手の右手(ガード)を確認する
- 自分の右手で相手の右手を下げる(上げる)
- ガードが空いた瞬間に右膝を打つ
ポイント:
相手のガードを崩してから打つ。
ただ膝を打つだけでは、ガードされます。相手の腕を外すことで、膝が確実に入るルートを作ります。
なぜ効くのか:
相手は自分の腕を外されると、バランスを崩します。さらにガードが空くため、膝がクリーンヒットしやすくなります。
「崩す」と「打つ」を同時に行う、効率的な技術です。
4つのパターンに絞る理由
首相撲の技術は、無数にあります。しかし、私はあえて4つのパターンに絞って練習しています。
理由①:考えずに出せる形を作る
前回の記事で書いた「条件反射リターン」と同じ考え方です。47歳では、試合中に「どの技を出そうか」と考えている時間はありません。
体が勝手に動く形を、少数精鋭で作る。
理由②:完成度を上げる
10個の技術を50%の完成度で持つより、4個の技術を90%の完成度で持つ方が、試合では使えます。
理由③:組み合わせで対応できる
4つのパターンがあれば、相手の反応に応じて使い分けられます。
- 相手が動かない→パターン①②で膝を打ち続ける
- 相手が前に出てくる→パターン③で回して膝
- 相手がガードを固める→パターン④でガードを崩して膝
シンプルでも、状況に応じた対応が可能です。
首相撲で意識していること
技術パターン以外に、首相撲全般で意識していることがあります。
①力で組み勝とうとしない
47歳が若い選手と力比べをしても勝てません。
力ではなく、タイミングと角度で勝負する。
相手の力を利用する、相手が力を入れた瞬間に方向を変える。こうした「柔の発想」が重要です。
②常に膝を打てる体勢を維持する
組んでいる時も、いつでも膝が打てる体勢を意識しています。
重心が浮いている、バランスが崩れている。この状態では膝は打てません。
安定した体勢を維持しながら、チャンスを待つ。
③休む時間を作らない
首相撲は「休む時間」になりやすいです。お互いが組み合って、何も起きない時間が流れる。
しかし、それでは審判に「仕掛けている」と見せられません。
常に何かを仕掛ける。膝を打つ、崩す、ポジションを変える。動き続けることで、ポイントに繋げます。
打撃から組みへの移行
首相撲の技術だけでなく、打撃から組みへの移行も練習しています。
パターン①:ワンツーから首相撲
ワンツーを打った流れで、そのまま相手の首を取りに行く。パンチで相手の意識を上に向けさせ、組みに移行します。
パターン②:蹴りをキャッチされた後の組み
蹴りをキャッチされた場合、無理に脚を抜こうとせず、そのまま組みに移行する。ピンチを首相撲のチャンスに変えます。
パターン③:相手の蹴りをブロックしてから組む
相手の蹴りをブロックした直後、距離を詰めて首相撲へ。相手が蹴りから戻る前に組んでしまいます。
試合では「組もう」と思って組むのではなく、流れの中で自然に組む。この感覚を身につけています。
5月のチャンピオン大会で目指す戦い方
5月のチャンピオン大会では、以下の戦い方を目指しています。
打撃と組みを融合させた、47歳ならではの戦い方。
遠い距離:ジャブ、ミドルキック、前蹴りで主導権を握る
中間距離:ワンツー、ローキック、ボディジャブでダメージを与える
近い距離:首相撲と膝蹴りで削る
どの距離でも戦える。これが、チャンピオンになるための条件です。
特に首相撲は、47歳の体力でも戦える重要な武器になります。
最後に——新しい武器を手に入れる
47歳から新しい技術を覚える。これは簡単なことではありません。
若い頃のように、すぐに体が覚えてくれるわけではない。反復練習の回数も、若い選手より必要です。
しかし、新しい武器を手に入れることで、戦いの幅は確実に広がります。
首相撲と膝蹴りの4つのパターン。
これを5月までに「反射」として使えるレベルまで持っていく。それが今の目標です。
47歳の挑戦は続きます。
城戸アラタ5月のチャンピオン大会に向けて、首相撲と膝蹴りの習得に集中しています。①左膝→左脚でバランス崩し、②左膝→右膝→左脚でバランス崩し、③左脚を下げながら回して左膝、④相手の右手を下げて右膝——この4つのパターンを体に刻み込んでいます。47歳では力で組み勝つことはできません。タイミングと角度、そして少数精鋭の技術で勝負します。打撃と組みを融合させた戦い方で、チャンピオンを目指します。
城戸アラタ
Parallel Life Method










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